1. インドのプライベート・エクイティ(“PE”)市場における流動性の問題
プライベート・エクイティ・ファンドは、通常10年から12年の存続期間を有する集合投資ビークルとして運営されます。リミテッド・パートナー(Limited Partner “LP”)は、ゼネラル・パートナー(General Partner “GP”)による投資運用のために、あらかじめ資本をコミットします。GPは投資期間中に資本を運用し、その後の価値創造フェーズにおいてポートフォリオ企業を積極的に管理し、イグジットを通じて収益化を図ります。この仕組みにより、LPがファンドの予定満期前に途中で引き上げる場合は、投資元本やリターンの一部を犠牲にせざるを得ません。
さらに、インドのPEセクターは流動性危機の深刻化に直面しており、イグジット件数の急減や投資保有期間の長期化がその顕著な例として挙げられます。2025年には、イグジット件数が2024年比で約19%、イグジット金額も約18%それぞれ減少しました。[1]
新規株式公開(IPO)や合併・買収(M&A)といった主要なイグジット手段の減少により、成熟期にあるファンドでは資本が固定化される傾向が一層強まっています。この状況を受け、GPsは、LPへの分配要求に応えつつ優良資産を維持するため、LP主導のセカンダリ―売却やGP主導のコンティニュエーション・ビークル(Continuation Vehicles “CV”)など、セカンダリー市場を活用した流動性確保策を採らざるを得なくなっています。[2]
2. セカンダリー取引の概要
2.1. LP主導のセカンダリー取引