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ARTICLE · 05 JANUARY 2021

日米におけるデータ漏えい時の通知義務に関する制度の概要

Masuda, Funai, Eifert & Mitchell, Ltd.
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近年、米国では、Target やHome Depot な どの小売業者が保存する顧客のデータが広 範囲にわたって漏えいする事件が相次ぎ、 米国で手厚いデータ保護法

United StatesPrivacy

はじめに

近年、米国では、Target やHome Depot な どの小売業者が保存する顧客のデータが広 範囲にわたって漏えいする事件が相次ぎ、 米国で手厚いデータ保護法の制定を求める 機運が高まっている。米国には、EU一般 データ保護規則(GDPR)のような統一デー タ保護法の存在する法域とは異なり、包 括的な連邦データ保護法が存在せず、かわ りに、州法と連邦法のパッチワークが現在 の米国データ保護法を形成している。その ような中でも、各州におけるデータ漏えい 通知法の導入割合は特に高いものとなり、 2020年現在、全50州、コロンビア特別区、 グアム、プエルトリコ及びバージン諸島で データ漏えい通知法案が可決されている。

他方、日本では、「個人情報の保護に関 する法律等の一部を改正する法律」が2020 年6月12日に公布され(以下「 改正法」と いう。)、公布後2年以内に施行されること となった。改正法により、従来努力義務で あった個人情報の漏えい等の個人情報保 護委員会への報告及び本人への通知が 義務化され、日本においてもデータ漏えい 通知が原則として必要であることになっ た。本稿では、データ漏えい時の通知義務に 関する日米の制度を比較しつつ概説する。

「漏えい」の定義

米国: 米国法上、一般的に、「漏えい」(Breach) とは、コンピュータ化されたデータが権限を 有しない者により取得され、それにより個人 又は事業体が保持する個人識別可能情報の安 全性、機密性又は完全性が脅かされることと 定義づけられる。漏えいは、ハッキングによ る事業体のコンピュータ・システムへの無断 アクセスなどのデジタルな手段、又は個人識 別可能情報を含んだ会社の所有物の窃盗など のフィジカルな手段によって生じ得る。

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