米財務省は、2023年7月31日、対米外国投資委員会(Committee
on Foreign Investment in the United
States)(以下「CFIUS」という。)の委員長として、CFIUSの活動に関する2022年の年次報告書を議会に対して公表した
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CFIUSは、毎年、前年の審査状況等に関する情報を議会に公表することが法令上義務付けられており、年次報告書は、CFIUSの前年の活動状況および執行方針を理解するための恰好の資料といえる。
以下では、前提知識として、CFIUSの権限等について概観した上で、今回公表された2022年次報告書の内容を解説する。
2 CFIUSについて
⑴ 総論
CFIUSは、財務長官を議長とし、複数の関連省庁により構成される組織であり、国家安全保障の観点から、米国の企業・事業・技術に対する外国人の投資を審査している。
近年の中国による投資の増大およびそれに伴う技術流出への懸念等を背景に、2018年8月に外国投資リスク審査近代化法(Foreign
Investment Risk Review Modernization
Act)(以下「FIRRMA」という。)が制定され、審査対象取引の拡大や事前届出義務の導入等によってCFIUSの権限が大幅に強化された。
⑵ 審査対象取引
FIRRMA制定以前は、CFIUSによる審査対象取引は、後述の「対象支配権取引」に限定されていたが、国家安全保障上のリスクの増大に対応するために対象が拡大された。